社長インタビュー

Q. お酒の仕事を始められたきっかけや苦労した話などをお聞かせください。

A. 私は創業者ではなく家業を継いで今の仕事についているのですが、初めて店を任されたときは、本当に何をしていけばいいのか全くわからないような状況でした。

世の中はデフレの時代、ディスカウントの時代となっていました。ディスカウントショップやドラッグストアでとにかく安く大量のお酒が売られるようになりました。

昔からある酒屋がそのような時にどうやって生き残っていけるのか本当に不安でした。

Q. 今のように、こだわりの商品を扱うスタイルになったきっかけとかはあったんですか?

A. 常々言っていますが、「私は蔵元さんに育てられた」と思っているんです。

ちょうどこれからお店をどういう風にしていこうかと悩んでいた時、岡山の蔵元さんから「お酒を作りに来ませんか?」という案内が来たので何となく申し込んだんです。
そのイベントには様々な酒屋さんが参加されていたのですが、ちょうどご一緒させていただいた酒屋さんから、とある限定流通のお酒を売ってみないかとのお誘いを受けました。
それがきっかけと言えばきっかけですね。

Q. その限定流通のお酒の話をもう少し詳しく聞かせてください。

A. はい、そのお誘いにのる形で、そのお酒を作っている蔵元さんを紹介していただいて、ほどなく当店にも入れてもらえるようになったんですが、その時お誘いいただいた方から聞いたのが「この銘柄だけで〇千本も売れた」ということでした。
私はその時に「そんなに美味しくて、売れ続けるお酒が存在するんだ」と衝撃を受けたんです。

どこの店でも手に入るものや、昔から売れているというだけで闇雲に仕入れて売るのではなく、1本1本味わって、これは美味しい・ぜひこれを自分のお客様にも飲んでもらいたいと思えるものをきちんとお客様に伝えることができればいいんじゃないかと気づかされた出来事でした。

Q. そこからお店に並べる商品選びが変わっていったんですね。

A. そうですね。それまでは、正直、そこまで珍しくもない銘柄のお酒ばかりを置いていた酒屋でしたが、
それからは、1本1本作り手の方々から話を聞いて、自分で何度も味わって、自分が感動したものをきちんとお客様に紹介して楽しんでいただくというスタンスで仕事をするようになりました。

Q. よくイベントなどもされているのは、お客様にお伝えする場を提供されているということですね。

A. そうですね。前はお店から「発信する」ということが非常に少なかったというかほとんどやれていませんでした。
しかし、先ほどお話しした当店が変わるきっかけになったお酒を実際に仕入れて売るにあたって、誘ってもらった方から聞いたのが、酒屋が色々なイベントを企画して開催していることとか、いいお酒が入ったらDMやチラシでどんどん発信しているという事実でした。
蔵元の方々が一生懸命作られたお酒を、お客様にきちんとご案内するのが酒屋の仕事ですので、味も確かめてもらいたいし、蔵元さんの気持ちや手間暇も知ってもらいたいので、そういう意味で定期的にイベントなどを開催して情報を発信し、またお客様に体験できる時間も提供するようにしています。

Q. お酒はたくさん飲まれるんですか?

A. 実は私はお酒はそれほど飲まないのです。拍子抜けかもですが。笑

ただ、そのことが逆にお客様目線で、常にニュートラルな気持ちでお酒の味を確かめることができたり、表現することができたりしているなと感じています。
試飲など、商品となるお酒の評価をする時に、人よりも客観的に感じることができるのではないかと思います。

常にお客様目線で居続けるということはずっと大切にしていきたいですね。